「うちの子、わからないところ質問してますか?」
サラリーマン塾講師だったころ、
保護者にされると困る相談ベストワン
がこれでした。
サービス業に携わる人間のモラルとして、明らかなウソはつけません。
このような相談が保護者からもちかけられるということは、
子どもは99%、自分から質問しない生徒です。
「子どもは質問していないんだろうなー」という予測が保護者の中にあり、
そしてそれはだいたい当たっているわけです。
なので、「はい、ちゃんと質問されてますよ」はない。
「いいえ、質問されていません」一択。
しかし、これはこれで塾側としては堂々と言えないのです。
その生徒のこと、ちゃんと面倒見ていません。
と言っているようなものですから。
このような相談が出てくるときは成績が伸びていない、
もしくは下がっていることが多いので、
塾側としてその状況を察してフォローすべきであり、
そこも含めて学費をいただいているはずですし、
保護者もそれを期待されていて当たり前だと思います。
それを
「いいえ、質問されていません」
まるで子どもに全責任があるかのような塾側の返答。
心苦しくて、なかなか言えない。。
正直なところ、理解していないだろうなぁというのは、
講師側はなんとなく感じ取れるものです。
そこはもう経験でしかわからない部分です。
ただ、それがわかるまで経験を積んでくると、
サラリーマン塾講師は現場だけにいられなくなります。
役職がついたり、全体業務に携わったり。
となると、生徒一人ひとりに
「ここわかってないでしょ?教えるよ」
と細かく声かけをすることが難しくなってきます。
その一人には声かけできたとしても、他の生徒はどうする?
全員に時間を割くのは無理…。
そんなこんな、いろんな背景がありつつの、
「質問してますか?」の問いかけ。
誤解しないでいただきたいのが、
塾講師全員がそうであるというわけではありません。
あくまでも、私は、という話です。
ウン百人の教室運営をしながらは、力不足でムリでした、という話です。
当時はなんと答えていたのか…。
一生懸命取り繕っていたので、覚えていないですね。
今なら即答で、
「全部把握してるんで、生徒に質問させるヒマを与えず、こちらからやること先に指示しています」
ですね。
もう、あんなにあせって返答することはしたくないなぁ。
定員大事。