「やる気」ってそんなに必要?という話

昔、働いていた職場での話です。

保護者の方が校舎の合格校掲示を見られ、特に東京大学や京都大学、国立医学科など難関大学の合格者を指して、

「この生徒たちは、すごいやる気があったんでしょうね…」

と、たずねられることがよくありました。

私はウソをついても仕方がないので、そのたびに事実をそのままお話していました。

「いえいえ、別にやる気が特別すごかったわけではありません。普通です」

「ただ、やる気がないときも、勉強はやるべきこととして、淡々と毎日継続した生徒ばかりです」

基本的に、「やる気があるから勉強する(=ないときは勉強しない)」という生徒の成績は伸びません。

歯磨きと同じと考えてもらったらわかりやすいでしょうか。

やる気の有無で歯磨きするしない人の歯が、どうなるのか。

ですから明声舎では、やる気はあまり(というかほとんど)重視していません。

やる気を出せ!と怒ることもありません。

そもそも人から言われて出るくらいなら、誰も悩みはしません。

まず何より、

「やる気関係なく(←ココが重要)、手を動かすこと」そして「継続」すること

が大切です。

ここでのポイントは『強制』です。

やる気が出るまで待つ?

期限が決まっていないものに対してならそれでもいいと思いますが、

受験は基本的に期限があります。そんな悠長なことは言ってられません。

やる気があろうがなかろうが、イヤだろうがなんだろうが、強制的に学習時間をとること。

「じゃあずっとイヤなことを強制させられるのか!」かというと、そういうわけでもありません。

最初はイヤイヤでもそのうち慣れて、それが当たり前になり、特に何も思わなくなります。

また歯磨きの例ですが、

歯の生え始めの頃(1歳くらい)はだいたいの子どもは歯磨きをイヤがると思います。

それでも虫歯にならないようにと、保護者の方が歯磨きを続けられたからこそ、

いま歯磨きの習慣が多くの人についているわけです。

ですので歯磨きのやる気が云々の話を上の方でしましたが、

多くの人が歯磨きすることに対して、そこまで大きな感情を持つことなく日々実行しているのではないでしょうか。

まずは強制でもなんでも、勉強を始めること。

始めたら、イヤでも何でも継続していくこと。

自主性ややる気は、あとからついてくるものなのです。

…こんな感じで指導しますので、いつか「強制舎」とか言われそうな気がしてきました(笑)